海外タビ

旅に出たくても出られないあなたへ。ドラマ「ロングラブレター・漂流教室」が教えてくれること

こんにちは!Kayoです、九州も、東京も、大阪も、日本の夏はあっついですね!!ところで先週、10年ぶりに、日本のドラマを1シーズン見ました。今回は、そのドラマが訴える大事なことが、旅を経験した時に感じる大事なものと似ているので、ご紹介します。とっっっても分かりにくい文章になっていますが、言いたいことは伝わると思うので、読んでみてくださいm(_ _)m

+++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

「旅をすると、色んなことが見えてくる。絶対旅をした方がいい。」私はいつもこんなことを思っています。

しかし、どのような形で旅ができるかは人それぞれ。持病があり、「今すぐ行くことはできない」という人もいるでしょう。そんな方のために、今回は「旅をした気分になれるドラマ」をご紹介します。15年前のドラマですが、すごく大事なことを言っていたので。

 

旅に出たくても出られないあなたへ。ドラマ「ロングラブレター・漂流教室」が教えてくれること

 

 

 

前提:「旅」と「旅行」はちがう

まず言っておきたいのは、ここで言う「旅」と「旅行」はぜんぜん違うということ。

旅とは:「行き先もわからない、不確実で、不安な未来」

旅って、バックパッカーのイメージの通り、「明日行く先もわからない、いつまでお金が持つかわからない、たくさんの出会いがあり、別れがある、不確実な世界」なんだよね。

あえて計画なんて作らず、今起きる「トラブル」や、素敵な「出会い」に真剣に向き合う。こんなことやって、なんのためになるか分からないけど、それでも今起きている出来事や話している目の前の人に真剣に向き合っていると、すごく成長できるんだ。

 

旅行とは:「計画的で、安心安全なバカンス」

いっぽうで旅行は、真反対。往復の航空券で、いつからいつまでどこに行き、何をするかあらかた決める。たとえ目の前に面白いことや素敵な人が現れても、電車の時間が来たら、もう行かなくてはならない。気分転換の安心安全なバカンスが、旅行だ。

 

 

「ロングラブレター・漂流教室」は”旅”型

今日ここで紹介しているドラマ、「ロングラブレター」は「旅」の方なんだ。「旅」を始めるときは勇気がいるんだよね。一度始めると人生自体が旅になって行くけど、まだ旅を始められていない人は一度このドラマを見て、「へぇ、旅って、こう言う感覚なんだぁ」と思って欲しい。

 

 

ドラマ「ロングラブレター・漂流教室」とは

15年前の日本のTVドラマ。原作は楳図かずおの漫画。

「ロングラブレター・漂流教室」は楳図かずおさんの「漂流教室」が原作の、 SF要素の入ったTVドラマだ。水曜9時のドラマにしてはかなりシリアスで、現実離れしていて、当時小学生だった私は気味が悪くて、と言うか怖くて仕方なかった。まともに見れるようになったのも、大人になってからだった。

 

キャスト

主演は教師役の常盤貴子と窪塚洋介。生徒役には若い頃の山田孝之と山下智久、香里奈と妻夫木聡なども出ている。

15年前の山田孝之。かわゆい。

 

ちなみにこのドラマの窪塚洋介がかっこよすぎる。顔とかじゃなくて、一個一個の言動が完璧だ。女性の方にはぜひ見て欲しい。

おっと、話がそれた。

 

 

あらすじ

大まかなあらすじは、「日本である日、なぜか一つの高校だけが未来に行っちゃう」。高校のあった場所には穴が空き、そのとき高校にいた人は死んだと思われた。しかし彼らは未来で生きていた。でも彼らの行った未来は「全てが砂漠と化した大地」だった。水も食料も、建物も人もいない。全て死に絶えていた。

そんな何もない場所に漂流した生徒たちが「生きる意味」を考え、みんなで支えあって生きようとする。そして彼らが見た未来にならないためにも、過去の人類たちにメッセージ(ロング・ラブレター)を伝える・・・と言うお話だ。

 

 

「ロングラブレター」と「旅」の似ているとこ

このドラマの何が「旅」と似ているかと言うと、

「何もない」が前提の世界

学校が漂流したのは、「全てが死に絶えていた」未来。学校の外は水も食べ物も、生物もいない。つまり「全てを一から作る必要がある」と言うこと。自給自足はもちろんのこと、限られた人間と関係性を作って生きて行かなければならない。娯楽もない。教育や情報もない。社会もない。生きる義務もない

人はそんな、「何もない、何もすべきことがない世界」に行ったら、どうなるだろうか?生まれた時からある程度の生きるルートを与えられて、安心安全に食べてきた私たちがそれを想像することは可能だろうか?と言うことを視聴者は考えさせられる。

 

実際ドラマでは、水と食料が枯渇し、生徒同士が殺し合いに近いことになる。いつも冷静な生徒も、生きるか死ぬか不安なため、怒ったり泣いたり、非道徳的なことを言ったりしたり。日常では絶対しないことを、彼らは弱った体力と不安の中で生きているが故に、焦って犯してしまう。私たちはそんな気持ちを感じたことはあるだろうか?

 

 

「旅」も、「何もない」道。

実は「何もない」と言う経験は、「旅」を通してすることができる。この日本を離れて、どっか知らない国へ一人で行ったら、一瞬で「何もない」世界を目の当たりにすることができる。仕事を辞めて、最低限のお金だけ持って、携帯の電源を切れば、簡単にその世界が手に入る。日本では絶対経験できることのない世界だ。

 

例えば、日本にいる時には感じない「激しい怒り」や、「ワガママ」を旅をしているときは感じる。あとで自己嫌悪するくらい、他人にヒドイことを言っていたりも。例えば旅中は食事にろくにありつけな買ったり、騙されたりして、自分の生きるすべが奪われることも。体力が弱っている状態で、生きるか死ぬか不安な気持ちになり、さらに他人から嫌なことをされると、とてつもない怒りが込み上げてくる

 

日本にいてそんな気持ちになることはあるだろうか?少なくとも私は大人になってからは、ない。あの道を曲がったら殺されるかも、とか、この仕事を真面目にやらなかったら一生刑務所かも、という想像を平和な日本ですることは逆に難しい。しかし海外ならそれが全然アリになる。

 

ルールがない、手本がない、何が起こってもおかしくない世界、一方で自分自身も何をしてもいいと思えるような世界。そんな世界であなたは一体何をするだろうか?学校に行かなくていい、働かなくていい、つまりやるべきことが一つもない状態、完全自由な時、一体あなたはどうするだろうか?

 

よく、「旅は、自分探し」という言葉がある。確かにそうだが、私的にはちょっと違う。私にとって旅とは、「自分に必要のないものを発見する」ことだ。旅という厳しい状況で、でも完全自己責任な毎日を過ごしていると、これまで私が日本で背負ってきた、「プライド」や「常識」や「遠慮」や「恐怖」、「不安」、「無駄に所有しているもの」、「なんとなくでつながっている人間関係」、そして「欲望」、この中で、本当は不必要だったと気づくものがたくさんある。

 

不必要なものに気づくことで、自分の人生で何が大切かを見つけることができる。本当に、シンプルに「ああ、私はこれがやりたかったんだな。」というものがわかる。これまでたくさんの葉っぱを飾っていた木が、風に吹かれて、シンプルな幹だけになった状態だ。そして大事なものだけに囲まれていると、自分を囲んでいるものや人を本当に大切にすることができる。

 

旅をするごとに人にも自分にも優しくなっている自分がいる。だから旅はやめられないんだ。

 

 

 

「今を生きる」と言うこと

時間は戻ってこない

ドラマ「ロングラブレター」では、先生が生徒に「今を生きろ」と言う。確かに将来のことを考え、勉強をして一歩一歩前に進むことは大事だ。しかし「未来への準備ばかり」では今を生きていることにはならない。誰にでも時間は平等に与えられている。高校生の3年間は主観的に長く感じようが短く感じようが、3年間は3年間なのだ。18歳になればもう、17歳の自分には戻れないのだ。そして18歳の自分は17歳の自分がが考えたことを、同じようにはもう考えられないんだ。

だから「今、やってみたい」と思うことは、周りからバカにされようが、常識から外れていようが、やってみることが大切だ。(ちょっと説教くさいけど、続けさせてね)何も「一世一代の大勝負」とか、「自分の倫理に反したこと」を衝動的にやれといっている訳ではない。気になるなら、「ダメ」と言われても今やってみることが大事なんだ。

 

旅に出たいと思う気持ちも、もうなくなるかもしれない。

旅も同じだ。若くして「旅に出る」などと言うと、周りから「なんでそんな危険なことするの」とか「無駄だよ」と言われる。しかしその言葉があなたの行動を止める要素には全くならない。なぜなら引き留めようとする人は、「人間はやってみないと納得しない」ということを分かっていないだけだからだ。そしてそれを分かっていない大人というのは、基本的につまらないから、やっぱり言うことを聞く必要はない。

 

「旅に出たい」と思う気持ちも、もしかしたら1年後にはなくなっているかもしれない。準備をしているうちにその炎は消え去っているかもしれない。本当にそれでいいのだろうか?今少しでも貯金があれば、外に出てみてはどうだろうか?

 

 

ドラマを見てもいいけど、人間は体験して初めて実感する生き物だから

ドラマを見て思うこと

ドラマ「ロングラブレター」は、突然「何もない」世界に放り出された人間の心情をリアルに描いている。私たちの日常でそんな状況になることは、戦時中でもない現代日本では、まずない。しかし「生きてもいい」、「死んでもいい」、究極の状況は人間を強く、そして優しくする。少しでも旅に興味がある人、生きることについて考えることがある人には観て欲しいドラマだ。

 

とはいえとはいえ、やっぱり自分の目で世界を見る方がいい。最近は割と簡単に世界一周もできちゃうし、いずれにせよフラッと海外に行くことをお勧めする。やっぱり、外に出よう。自分の目で見よう。体感しよう。

 

ABOUT ME
bonkayo
SE、ソムリエ、旅人、フリーライターを経て、フルリモートで会社員中。2歳娘と夫と3人暮らし。