こんにちは、Kayoです。
私は2016年11月で脱サラし、旅をはじめました。旅といっても当時は「どこへどんな旅をするかなんて計画はないけど、とにかく今の都会から出て田舎で暮らしてみたい!」という思いだったため、どうにかして田舎に住める方法はないかと探しました。
もちろん”田舎に住む”となれば、一度田舎を訪問し、アパートの賃貸契約を結んで、最低でも1年住むという条件になります。しかし当時の私は「1年も特定の場所にいるつもりはなくて、短期間何もない田舎に住んでマッサラな状態になりたい」という思い。
こうなるとまずは”ホテルに住む”という選択肢があります。しかしホテルは地方都市にあるためなかなか田舎を体感できないし、なにより”費用がかさむ”というデメリットがあります。
また「Air B&B」などの民泊を使うこともできました。民泊だと、田舎暮らしが楽しめますね。しかし民泊となると、家主の方に気を遣うところも出て来るでしょう。私は一人になりたかったため、こちらの選択肢もとりませんでした。
「して、どうしようか・・・・・」と悩んでいたとき、たまたま六本木ヒルズにて、「移住フェア」があっており、覗くと「移住を考えている人用に、3カ月ほどの”お試し移住”というプログラムがあるよ」と教えて頂きました。
「お試し移住かぁ・・・べつに移住は真剣に考えてないけど、自分が田舎暮らしに合うかを試してみるのもいいかもしれない!」と思い、さっそく検索しました。「お試し移住」でググルと、出てくる出てくる。現在日本では「地方創生」プロジェクトとして、全国の過疎地にて「お試し移住施設」を用意しているのです。
「これならいける!」と思った私は「お試し移住」をやってみることとしました。
ちょっと都会に疲れたので、3週間”お試し移住”してみた
お試し移住の内容
「お試し移住」とは、「地方に移住を考えている者に、短期間で施設を提供し、滞在してもらってリアルな地方を体感してもらう」プログラムです。
お試し移住施設とは
「お試し移住施設」は、地方行政が運営している、家のことです。普通に住める家です。アパートタイプのものもあるし、空家を改装した一軒家タイプのものもあります。家具・寝具・その他生活備品はそろっていることがほとんどです。
岡山県赤磐市のお試し移住施設
お試し移住の期間と費用と条件
これは各市町村によってさまざまです。HPを確認したり、問い合わせてみてください。以下は目安です。
期間・・・3カ月前後が目安です。しかし短いところには「2日間から」とか、一方で「6カ月~2年」というところもあります。
費用・・・2万円/月が目安です。光熱費、住居費、家具家電付きで2万円は破格です。もっと安くて5,000円というところもあります。
条件・・・まず大前提として「移住する意欲があること」です。もちろん「移住をちょっと考えている・・・」くらいでも大丈夫です。また人数は一人でも家族でもOKなところがほとんど。
例)高知県芸西村のお試し移住施設。高知県各地のお試し滞在施設の詳細はコチラ。
「やってみる」ことにしたお試し移住
調べてみると私は条件も満たしているし、何より「短期間で、低予算で、田舎暮らしが体験できる」ということで申し込むことにしました。申し込み方法は後で書きます。先に「実際に田舎に暮らしてみて分かったこと」を記してゆきます。
高知県の”日高村”で3週間お試し移住してみた
私が初めて「お試し移住」に申し込み、認可が降りた市町村が高知県の日高村(ひだかむら)というところです。事前に役場の方から「車が必要」と言われていたため、レンタカーを一カ月6万円で借りて、挑みました。借りたとこ→賃貸自動車。安いっすよね
お試し移住スタート
最初に村役場へいき、そこからお試し移住施設へ案内してくれます。ここの施設は役場から車で20分ほどの、かなりの山間にあります。最寄りのスーパーも車で20分ほどの、本当の田舎です。
上は日高村役場。下は役場から車で20分のお試し滞在施設。
家へ入ると、かなり広々としており、入口は玄関と勝手口の2つ。居間とキッチンはオープンになっています。ここは1~5人用のため、かなり広いです。
2階もあります。ここで寝ていました。
もちろんお風呂・トイレもあります。洗濯機に掃除機・冷蔵庫も。必要なのは食材とトイレットペーパーくらいです。
日高村のお試し移住施設の詳細はコチラ。
お試し移住施設周辺
さて、移住施設は「ほんとうに月2万円とは思えぬほどの十分さ」でかなりテンションが上がりました。次は移住施設周辺の状況です。
本当にここ日高村というのは田舎で、山々が美しいです。隣近所は近いですがほとんどがおじいちゃんおばあちゃん。みんな挨拶してくれます。
ただ、スーパーは車で20分と、遠いです。コンビニもありません。車で3分くらいのところに生協の小さいストアはありますが、夕方16:50に閉まります。
しかし村は田舎ですが、県庁所在地である高知市は近いです。車で40分ほど。・・・・車で40分が「近い」という感覚が、もうすでに山の民になっている気がしますが・・・。
高知の名所?「はりまや橋」←「?」の意図は行ってみればわかるよ。
たしかに各施設は「近くはない」ですが、車があるので全く困ることはありません。ただ、最寄りのスーパーも20時には閉まるため、いやでも生活リズムが朝型になります。
新鮮な食材がそろいます。
お試し移住中の活動
お試し移住中は、とくに役場の人が様子を見に来るわけでもなかったため、移住を検討するならこちらから積極的に役場や県庁を訪問したり、村の活動に参加するといいでしょう。
どの市町村でも移住に関するパンフレットをくれます。
私がお試し移住したときは冬で、種々の活動が少なかったため、自分から県庁を訪問して高知県の産業等について伺いました。県庁職員さんはとっても丁寧な対応で、高知県のことを詳しく説明してくれました。
もちろん、お試し移住中にアルバイトを見つけて仕事をしたり、ただただのんびり大自然の空気を吸ったり、どれも自由です。私の場合は当時、都会の忙しさに疲れ果てていたため、自分を癒そうと毎日ハイキングやドライブを楽しんでいました。
お試し移住中の一日の生活
これはほんとうに”自由”なんですが、やはり都会から田舎に来れば暮らし方は変わります。以下、都会暮らしと田舎暮らしの違いと、田舎暮らしをしての変化をまとめます。
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夜型→朝型になる。
商業施設の閉店が早いため、必然的にそうなります。東京での仕事がソムリエだったのもありますが、これまで9時起き→3時就寝だったのが、5時起き→23時就寝になりました。
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外飲みがなくなる。
居酒屋も車で20分ほどの所にあるため、お酒を飲むのは専ら家になります。健康的がどうかは分かりませんが、外食費は格段に減りました。
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自分と向き合う時間がとれる。
家の周りは本当に静かだし、都会のような刺激も少ないため、意識が徐々に外から内に向いていきます。「自分が幸せだと思えるのって、どういう時だろう・・・」そうやって、自分のために時間を与えることで、自分自身を癒すことができます。め、めいそうみたいな感じ?
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自分に、そして他人に優しくなれる。
自分を見つめ直すこともできるし、他人にも優しくなります。田舎は人が少ないです。だから一人一人に時間をかけて向き合うことができます。人を大切にできるし、大切にされます。
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体重が減る。ニキビも減る。つまり健康になる。
東京で忙殺されていた時に比べ、癒されるせいか、熱も出ませんでした。健康的な感じがしました。
田舎暮らしでの変化まとめ
田舎暮らしを始めて変わったことと言えば、以上です。やはり田舎暮らしの良い点は、「ヒーリング効果」があるというところ。緑が美しい山々や青く澄み渡る仁淀川、満点の星空を毎日見ていれば、純粋に感動するし、ひいては生きていること自体に感謝できる感覚になりました。
仁淀橋。この川がキレイ。
そういった点で、すごくオススメしたい「お試し移住」制度。具体的な移住プランがなくとも、「田舎暮らしに興味がある」というのも、立派な希望理由です。特に都会に疲れた方に、とってもおすすめしたいです。以下、私が実際にお試し移住に申し込んで認可が出た方法をご紹介します。
お試し移住にいたるまでの流れ
まずは「移住してみたい地域」を選定します。今や大都市以外ならどこでも行っている「お試し移住制度」、まずは興味のある県をさがします。お試し移住制度は、各市町村が行っていますが、まずは都道府県に聞いてみるのがいいです。
高知県に決める。その後は県庁に電話する。
私の場合は今回「高知県が住みやすい」と聞いていたため、まずは高知県のHPへ行き、「移住」で調べました。すると「移住コンシェルジュ」なる人たちがいたため、電話で尋ねました。
私「高知県のお試し移住に興味があるんですが・・・」
と聞くと、すぐに「条件はありますか?」と聞いてくれたため、「一人であること、田舎が存分に味わえること、来月から1カ月くらいを考えていること」を伝えると、「その条件で調べてみますね」ということで代わりに検索してくれました。
県の移住コンシェルジュがひととおり調べてくれる。各市町村には自分で電話
しばらくすると移住コンシェルジュの方から電話がきて、「条件に該当するお試し移住施設が4件みつかりました!後はご自身で各市町村への空き状況確認をお願いします」と言われ、その後は一件ずつこちらから電話しました。
1件目の高知県ゆすはら町へ℡
「あ~ごめんね、今どの施設も埋まっているんだ・・・3カ月後なら案内できるけど・・」という回答。
2件目の芸西村へ℡
「しばらく埋まっています。空くのは1年後です・・・」との回答。
そして3件目の日高村へ℡
「来月は3週間空いていますよ!」とのご回答を頂き、そちらに決定しました。
空きのあったお試し移住施設に正式に申し込む。
電話で申し込みの意図を伝えると、正式な「申請用紙」がPDFで送られ、それをまたメールにて送信。3日後に本決定の連絡がきました。申請用紙は簡単なもので、名前と生年月日と職業、加えて免許証のコピーといったものでした。
お試し移住の認可がおりる。
申込みの翌日には「お試し移住の認可が下りた」という連絡を受け、晴れて決定。その後は「お試し移住に必要な物(車とか)、注意点(防寒対策しっかりとか)、疑問点」を役場の人とやりとりし、移住初日は役場に行くように指示されました。
3週間のお試し移住に用意したもの。
お試し移住の際に準備したものと言えば、専ら「車」です。その他は移住施設になんでもそろっているため、ホテルに泊まるときの準備とほとんど変わりませんでした。シャンプーとかは持っていった方がいいでしょう。
持っていったのはほとんど服
いざ、お試し移住スタート!
移住初日は役場にて簡単な説明をしてもらい、あとは移住施設に案内してもらって鍵を受け取るのみとなります。
お試し移住終了時
退去日には役場の方がチェックをしに来られて、鍵を返して終了です。
大まかな流れは、こんなものです。かなりシンプルで、特に困ることもありませんでした。
私的、お試し移住の総評
こんかい初めて「お試し移住制度」を活用してみて、お試し移住は、地方行政のニーズと、都会の人間のニーズがうまくマッチした、本当にエコで合理的な制度だと思います。
お試し移住制度という制度自体にかんして
地方行政は「人」がほしい。自然と空家はたくさんある。
都会の人は「自然と住居と田舎暮らし体験」がほしい。自然と触れ合うにも、家を借りるにも費用がかさむ。
お試し移住は、この二者の要望が、ソースの交換というかたちでムリなく満たされることは、実際に体験してみて、すごく自然でいいなぁ~と思いました。
お試し移住制度も、各市町村によってさまざま
お試し移住の施設も、長期滞在型と1日単位での短期型があるため、最初は近郊の地方で「短期お試し移住」を行っているところを探して、おもしろいと思ったら、長期型を試してみる流れがいいと思います。ご家族がいるかたは、そちらが家族の同意も得られすいでしょうし、オススメです。
岡山県でも試してみました。
私は日高村での3週間お試し移住のあと、別のプログラムで岡山県赤磐(あかいわ)市で4日間の短期滞在を楽しみました。こちらは日高村みたいな田舎ではなく、近くにスーパーがある集合住宅街の一軒家でした。
お試し移住も様々な形態があるため、色々調べて決めるといいでしょう。また今年の夏は高知県のゆすはら町にてお試し移住する予定です。
街には建築家、クマ・ケンゴさんのおもしろい建物がたくさん!
お試し移住制度、もう少し活用方法はないかこれからも試してみたいと思います。
日本一の水質となった仁淀川
田舎もいいけど都会もいい。でも都会もいいけど田舎もいい。
心身の状態によって住む場所を変えるというライフスタイルも、これからありだと思います。
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