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隠れた穴場世界遺産、モンテネグロのコトル

こんにちは!Kayoです。10月に入り、さらに過ごしやすい気候となりましたが、どうやら今年アレルギーが発症し、毎日涙目です。

さて、今日は東欧トラベラーの”なべ”さんより、モンテネグロの情報です。「黒い=ネグロ、山=モンテ」って、いったいどんな国!?東欧マニアがまたまたマイナーな情報を教えちゃいますよ。

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隠れた穴場世界遺産、モンテネグロのコトル

アドリア海の最深部はまさに絶景であった~

モンテネグロと聞いて正確な場所を言える人は少ないであろう。それどころかヨーロッパなのかアメリカ大陸なのかさっぱり分からないという人もいるかもしれない。私の知人に聞いても正確な答えが持っている人はごくわずかであった。モンテネグロは簡単に言ってしまうと、クロアチアの隣国だ。近年急速に観光立国として成長と遂げているクロアチアに比べ、モンテネグロはまだまだマイナーである。そんなマイナー国家モンテネグロであるが、豊かな自然と素晴らしい景観で旅行者を魅了できる場所であることはあまり知られていない。今回、その中でも潜在的な可能性を秘めている世界遺産の城塞都市コトルを訪れる機会を得た。

コトルはまだマイナーだがその美しさは本物である

~近いのに行きにくい世界遺産コトル~

クロアチアのドブロブニクに滞在中、途中暇を持て余してしまったので、どこかエクスカーションしようと地図を眺めていた。するとドブロブニクは隣国のモンテネグロの国境にある街であることが分かった(始めから調べておけよ!という感じですが)。調べてみるとバスで2時間程行ったところに世界遺産があることが判明した。

これは行くしかないでしょ!

すぐに近くのバスターミナルでコトル行きのバスを調べた。しかし、コトル行きのバスは1日1本しか出ていないとのこと。しかも行きっぱなしで帰りのバスは明日になるらしい。当初行く予定もないモンテネグロに宿泊するわけにはいかない。というかドブロブニクの宿代がもったいない。隣国なのに、お互いの交通網が発展していないのが東欧たる所以だ。隣国間で飛行機が出ていないなんてことは良くある話だが、まさかバスまでこの有様だとは正直がっかりだ。

しかし、ここで諦めるわけにはいかない。あまり気乗りしないがレンタカーで行くことにした。海外旅行に行く際は、いつも事前に国際免許証を取得している。これまで左ハンドルは危険だからと1度も乗ることはなかったが、この際は仕方がない。田舎道だから問題はないであろう。ただレンタカーでの越境と言うのは可能なのだろうか?レンタカーはなぜか日本車のス〇キであった。ちなみにこの旅で他にス〇キの車を一度も見ることはなかった。というか日本車はほとんど走っておらず、大半がドイツ車であった。まあ、これはここだけに限らずヨーロッパ全体に言えることで、ヨーロッパでは日本車はマイナー車なのだ。

~再び内陸へ、そして緊張の入国ゲート~

コトルまでの道のりはほぼ一直線だ。日本みたいにあちこちに道路が張り巡らされていることもないので、ほとんど迷うことはなさそうだ。アドリア海を沿ってひたすら進み内陸へ途中。問題の国境ゲートに差し掛かった。とりあえず何食わぬ顔してゲートでチェックを受ける。

とりあえずパスポートを提示したが、審査官が他にも何か見せろと言ってくるが何を言っているのかさっぱり分からない。英語で応対するもまったく通じなかった。国際免許を提示するもこれじゃないと言うジェスチャーを見せる。ビザが必要なのか?あいにくビザは持っていない。苦し紛れにレンタカー屋で渡された書類関係の物を提示した。これでダメだったらもう出すものはない。賄賂で買収か?と思ったら、パスポートにスタンプを押してもらった。何が良かったのかさっぱり分からないが無事モンテネグロに入国できた。

絶景ルートをドライブ中        

~絶景の湖畔ドライブ~

モンテネグロ入国後もひたすら一本道をひた走る。信号もほとんどなく快適なドライブだ。しばらくすると湖が見えてきた。エメラルドグリーンに輝く美しい湖だった(正確にはアドリア海の最深部の小湾にあたる)。思わずその美しさに車を止めてしばらく眺めてしまった。

ドブロブニクから見るアドリア海も素晴らしかったが、名前も良く分からないこの湖の景色も最高だ。日本で言えば富士五胡をドライブしている気分になるが、それよりも一層魅力的だ。湖沿いを最高の気分になりながらドライブしていると、一際目立つ大きな城壁が見えてきた。多くの車やバスが停車しており、豪華客船らしき船も停泊していた。間違いない。ここがコトルだ。

  

コトルは城壁に囲まれた城塞都市である

~コトルでショートトレッキング~

コトル旧市街はドブロブニクに似た城塞都市だ。城内もどことなく似ていたが、ドブロブニクほどの賑わいはなく、規模も小さく、ほどほどの人の入りだった。城内は30もあれば全部周れるほどで、これと言って魅力的な建物はなかった。一応世界遺産の街なので、あっ言われせるものはないだろうか?このままだと良くありがちなガッカリ世界遺産のリストに載ってしまう。街を見渡してみると城壁が山の上まで伸びていることが分かった。

  

狭い路地はいくつも張り巡らされている       

“もしかしたらドブロブニクと同じように城壁を1周することができるかも?”

“山の上まで登ったら良い景色を眺めることができるのではないか?”

そんな思いで街の中を歩いていると、細い路地の奥に山へ登れそうな道が見えてきた。入山のための受付らしきものも見える。登山の準備はまったくしていないが、このままでも退屈を持て余すだけなので登ることにした。受付では予想どおりお金を取れた。  

街のシンボル聖トリフォン大聖堂

~山頂はまさに大パノラマの絶景~

トレッキングコースに入るなり、さっそくキツイ坂道や階段のオンパレードだ。息を切らしながらコツコツと登っていく。他に登っている人たちの様子を見る限り、皆軽装であり、小さな子供から年配者までいたのでそんなに本格的な登山というわけではなさそうだ。着々と上に登っていくと、次第にコトル湾の全貌が露わになってきた。これはかなり期待できそうだ。道は勾配があるものの、きちんと整備されており登りやすい。体力が続く限りノンストップで登り続けること40分ほどで頂上、正確に言えば城壁の最深部にあたるところに到着した。

複雑なリアス式海岸を成すコトル湾を一望でき、茶色で統一されたコトルの旧市街を見下ろすことができた。大パノラマの絶景である。これだけの景色はなかなか拝めるチャンスはない。東欧のマイナー国家にこんな素晴らしい景色があるとは想像していなかった。すぐとなりのドブロブニクに比べはるかに知名度の下がるコトルであったが、その景観はドブロブニクにまったくひけを取らないものであった。

  

勾配のきつい階段を登り続ける      

~油断大敵~

30分ほど絶景を堪能し下山した。他には特にやることもなかったので、ドブロブニクに戻ることにした。帰りもまた一本道をひたすらドライブだ。楽勝である。ただこの緩み切った気持ちが恐怖を招く。滅多にお目にかからない信号機のため、まったく気づかず赤信号を通過。

思いっきり対向車にぶつかりそうなる。さらに右車線に慣れ切ったその体が無意識に交差点で右車線へとハンドルを切る。対向車が猛烈にクラクションを鳴らしながら突進してくる。あわててハンドルを切って回避。バックミラーを見ると、後ろでドライバー何か喚いていたが、心の中ですいませんと唱えながらスルーした。右車線運転がすっかり体に染みついている日本人にとって左車線は本当に危険だ。あと田舎道も、、、

  

アドリア海の最深部コトル湾。複雑なリアス式海岸が美しい

再び緊迫の国境ゲートに差し掛かった。しかし帰りは何にも言われなかった。それどころかスタンプは必要か?記念に押しておくか?と聞いてきた。そこは記念に押してもらうことにした。何がともあれ、日帰りモンテネグロの旅は成功であった。ドブロブニクを観光した際にはモンテネグロにもぜひ立ち寄ってほしい。絶景があなたを必ず快く迎えてくれるはずだ。

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なーんだか、中世の物語に出そうな街ですねー、コトル。入ったら出られなくなりそうな、タイムスリップしちゃいそうな、不思議な魅力がありますね。東欧の楽しみ方って、こういうところにあるんじゃないかなと思います。

最近も東欧マニアのなべさんは東欧トラベルしてきたみたいです。どハマりなんですねw 今後も東欧マニアのアップデートに期待しましょう!

ABOUT ME
bonkayo
SE、ソムリエ、旅人、フリーライターを経て、フルリモートで会社員中。2歳娘と夫と3人暮らし。