こんにちは。Kayoです。私は時間と金さえできれば、明日にでも海外へ行くという無類の海外好きです。
しかしこんな私も、最初の海外留学は苦い思い出でした。それでも海外へ行くことはすごく意味があることです。その理由はこのブログを読んでいけば分かります。ただ最初は、私の苦い苦いイギリス短期留学の思い出をお話ししますね。
前回はこちら。:【海外体験】高校生でイギリス留学に行ったら一人になった話
【海外体験】初めてのイギリス留学で何もできなくて、すっげーへこんだ話
Previously, on Kayo’s England story…..(前回までのあらすじ)・・・
ヨーロッパと日本から中~高校生が集まるサマー短期留学で、白人クラスに入れられた唯一の日本人、私。だが英語を喋れるわけでもなく、授業中に全く英語を聞き取れず、ブーイングの嵐にあった。
出典:ブーブー
その授業のなか、次は隣の席の人との協働ワークになった。が・・・・
共働ワークの相手が授業放棄
先生「共働ワークはじめ!」
先生が手をたたいた。私は隣の席の女の子を見た。黒髪の美しいラテン系の女の子だ。私が「は、ハロウ?」と声をかけた。すると彼女は振り向いた。そして、また、向こうを見た・・・。
無視?ガーン・・・
そう、無視だった。でもワークをしないと発表に進めない。私はドキドキしながら紙に自己紹介文を書いた。「I’m Kayo, from Japan. I like baseball and you?」という紙を隣の子に恐る恐る渡した。
すると彼女は受け取り、何か書き始めた。「I’m LAURA. Sorry, I feel bad now.」と返って来た。日本語に訳すと「私はローラ。ごめんね、今ちょっと気分が悪いんだ。」ということだった。彼女のようすからここでの”気分”は”体調”ではなく”機嫌”だった。
ホッ、なんだ。調子が悪いだけか。・・え?調子が悪いという理由で授業放棄?
「今日はコントロールがわるいみてえだ」:ときめきトゥナイトより
これには少し驚いた。この留学中によく目にした光景だが、ヨーロッパからの学生は「失恋した」と泣いては授業放棄。「喧嘩した」と泣いてはミーティングに来ない。この状況は、これまで規律正しい学生生活を送っていた私にとっては「えええ、これって、ありなの?」と、外国人学生の甘えた行動にムッとしていた。
ノートを投げる。食べ物を踏みつぶす・・・・?
さあ、授業が始まって3日目だ。このクラスには”徐々に打ち解ける”という感覚はなく、初日からおしゃべりが飛び交う賑やかなクラスだった。学生の年齢は13歳~15歳で人数は20人。国籍は、ロシア、フランス、ドイツ、スペインが主だ。中東もちらほらいたか。私から見れば当時、誰がどの国籍かなんて全く見た目で判断つかなかった。
授業中に飛び交う会話・・・ではなく、モノ。
ヨーロッパの学生は活発だ。おしゃべりはもちろんのこと、ある日、「Hey! Sebastian! Come on!!!」という大きな声が聞こえてきた。
振り向くと、というか見上げると、頭上には・・・宙を舞うノートがあった。すると次々に男子も女子も、ペンやノートを投げ始めた!!!
どうした!!??何の競技が始まった!!??
ガラッ!すると先生が来た!そして先生が↑このありさま↑を見た瞬間、
映画「ハリーポッターより」
「ドーーーーーント スロウ スィイイングス!!!!」
怒ったーーーー!!そりゃぁ怒るわ!!!
次の日クラスへ行くと、先生がこんな張り紙を貼っていた。
「CLASS RULES!!(授業中の注意事項!!)
Don’t throw things!!(モノを投げない!!)
Don’t talk when someone speaks!!(誰かが喋っているときは、聞く!!)
Be Quiet!!(とにかく、しずかに!!)
・・・・・・・
・・・・・・・
(全15項目くらい)」
まるで小学1年生の学級スロガーンみたいな張り紙・・・。「先生も大変だな・・」と思いながら、一緒に貼るのを手伝った。
食べ物も空を飛び交う
その日は午前中だけ授業で、午後からはウォーリック城という城の見学だった。バスに乗ってサマー留学生100人と、アメリカ人ボランティア30人でお城へ向かった。今思うと、アメリカの大学生ボランティアは、わざわざ海を渡ってイギリスに来て、留学生のお世話をしにきていたんだな・・・と感心する。
ウォーリック城
自由行動前に弁当を渡される
ウォーリック城の観光は自由行動だ。自由行動前にボランティア大学生から、今日のランチを渡された。中身は、パサパサのサンドイッチとアップルジュース、それにマーズというヌチャヌチャしたチョコレート菓子、それとバナナとポテトチップスだ。
マーズ(Mars)出典:http://milky-mouthwatering-chocolates.blogspot.jp/2011/02/mars-chocolate-bars.html
そして自由行動。私たち日本人はなぜかドイツ人とウマが合い、一緒に行動した。デッカイ城と開放的な庭を散策して、楽しかった。西洋の国、どこに行っても思うのは、とにかく何でもデカイということ。それだけで見ごたえがある。
出典:http://i3.asn.im/Huge-hamburger-_ttjs.jpg
開放的な庭でランチタイム
お昼の時間になった。隣にはたまたま、別行動していたロシア人とスペイン人のグループが居合わせた。私たちは自由行動前にもらった「パサパサのサンドイッチ」を食べ始めた。すると・・・・
ギャーーーーー!!!
という、奇声が隣のグループから聞こえてきた。突然の奇声なんて、イギリス3日目となればもう慣れたもの。日本人の私たちも注目しなかった・・・・が、次の瞬間とんでもない物を目にした。
宙を舞う、食べかけのバナナ・・・・
そう。皆がバナナを投げて、人に当てて遊んでいるのだ。しかも、あっ!間違ってバナナを踏みつぶした!!当の本人は、「キャーーー♪」と言いながら楽しんでいる!!
たっ、食べ物を、投げる・・・!のは、まずいんでないかい!!??
さすがに食べ物を粗末にする光景に日本人はあんぐりしていたが、ドイツ人は「やれやれ」と言っていた。よくあることらしい。でも異文化と言えど、これに関してはちょっと耐え難かったかな。
お一人さまの日本人、がんばってみる
授業が始まって4日目。これまではほとんど英語を喋れなかったが、ちょっと慣れてきて、授業中にあてられたら「I don’t know」と言って回避する術を覚えた。
積極的に話しかけてみる
「困ったら” I don’t know “で乗り切ればいい」と知った私は心が軽くなり、ご飯も他国の学生と食べるようになった。すると意外にもみんな優しく、「一緒にバスケやろう」とか「今度の観光一緒に行こう」と誘ってくれた。
しかし、また停滞する
“I don’t know”とか、基本的な挨拶は英語で言えるようになった。しかし、その先の中身のあるお話しになると、なかなか言葉が聞き取れないし、聞き返す英語力もない。
実際に海外へ行って、英語で会話する上で最重要だと思ったのは、「語彙力」だ。単語を多く知っていれば知っているほど、聞き返すこともできるから、会話が進む。発音がうまくできないなら紙に書けばいい、とにかくどれだけ単語を知っているかで会話が進むかきまる。
ここからが私の反省点
「単語を知らないから、話ができない・・・」この壁にぶつかり、そこから1週間、その壁に悩みつづけた。そりゃぁ、今から単語を覚えるなんて、非生産的だ。今の私でもそう思う。
しかしそこで、「じゃぁ、どうすれば英語でコミュニケーションをとれるのか?」と頭をひねらせて考える努力が足りなかった。けっきょく「うーーん、どうしたらいいんだろ、わかんない・・・・」という思いのまま、帰国の日になってしまった。
今の私が当時の私にアドバイスをするならこう言う。
「確かに英語でしっかりコミュニケーションできるのに越したことはない。でも、ちょっと完璧主義になっていないか?15歳の時の私の英語力で十分に会話するというのは、高すぎた目標なのに、それができなくて悩んでいる。つまり当たり前の事に悩んでいる。ここで必要なのは今の自分に合った目標を設定し直して、新しい目標に向かって一ステップずつ前に進むことなんだ。目標の再設定は、賢い戦略なんだよ。」
と、できなくて当たり前のことに悩んでいる私にそう言っただろう。「今の私に英語を十分に話すことはできない」という事実を知っただけで一歩進んだんだ。「事実を認めて、自分も認めて、そして前に進む」という思考の前進があの時の私に足りていなかった。ずっと悩んでいないで行動したほうがよかった。
これが私のすっげーへこんだ話。
「すっげーへこんだ」というのは、別にヨーロッパ学生の奇行(こんな言い方して、ごめんね!)でもなく、ご飯がジャガイモばっかりで6kg太ったことでもなく、朝クラスに行くと私の机に「quit!!(出ていけ!!)」と書かれていたことでもなく、
自分自身を認めて成長させなかったということ。
ウジウジウジウジ悩んでいて機会損失した。ということです。今でも反省します。
イギリス短期留学修了
そんなこんなで過ぎていった2週間のイギリス留学。初めてのイギリスは見るもの全てが新しくて見ごたえがあったけど、ずっと心がモヤモヤしていた。「コミュニケーションの不十分さが、こんなに気分に影響を与えるのか」ということも知れた。ロンドンに行っても、ミュージカルを見ても、なんだか楽しめなかった。
そしてモヤモヤしたまま、日本に帰る飛行機に乗った。飛行機に乗りながら、歯を食いしばりながらこう思うしかなかった。
くっそーーーー!!!もっと英語力をつけて、次はバリバリ話してやる!!!
一睡もしないでそんなことを思いながら、日本に帰った。
イギリスでへこんだ話まとめ
ということで、2度にわたってお話ししてきたイギリス短期留学の苦い思い出話。これにて終了になります。まあ、ザックリ言うと、言いたかったことは
①海外に行くと、自分の概念をぶっ壊されて、赤ちゃんのような素直な心に戻れる。
→この話では「ヨーロッパ人学生の数々の奇行」を描写しましたが、実は私は「日本ではよしとされないことをヨーロッパ人が目の前でやってくれた」ことで、すごく気持ちが軽くなりました。
もともと私も「なぜ授業中に静かにしなくてはいけないの?」「なぜ団体行動が必要なの?」というギモンを持っていましたが、それを周りに言うと「変な子だ」と言われて生きづらかったため、素直なギモンを隠して生きていました。でもそれを海外の学生がぶち破ってくれたことで、涙が出そうになるほど嬉しかったです。
②海外に行くと、言葉が分からないというハンデがあるから、あらゆる力を鍛えようと努力する。
→いうまでもなく、「言葉が伝わらない」ハンデは、「これまでできていたことが、できなくなる」苦痛をもたらす。雑談するのも、お店でサンドイッチを頼むのも一苦労だ。元々できていたことができなくなると、人はどうにかしてそれを取り戻そうとする力がある。すると英語力はおろか、他の方法で会話できないかを考える知力、弱気を前向きにする精神力、そして何度も壁に立ち向かう体力、種々の力を高めようとする。結果、強くなることができる。
③それでも海外に行くと、一度は挫折する。
それでも海外は言葉の違いだけでなく、文化も違うし、バックグラウンドも違うから会話が成り立たないことは茶飯だ。留学中に悔しい思いや、辛さを感じない人なんていないだろう。しかしそこで「私はダメだ・・・」と思って諦めるのか、「私にはこのやり方がある」と再起するのかは、はたから見れば分からないかもしれないが、今後のその人の自信に繋がってくる。能力は同じなのに、自分を信じられる人と信じられない人とでは、その後々の成功率が大きく変わる。
今回のイギリス留学では私はまぎれもなく後者だった。いくらがんばっても「できない」ことは、別のやり方を考えればいいんだ。それが、知恵というものだ。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
これにて私の初の留学、イギリス短期留学の話を終わりとします。悩みながらも、イギリスで得られた経験は大きかったし、美しい観光名所も見れた(関連: イギリス・ロンドン旅行のおすすめ観光スポット5選+郊外2選)し、ラグビー発祥という伝統的な高校で勉学に打ち込むことができた(関連:ラグビー愛者は一度は行きたい、イギリスのラグビー高校(執筆中))。
ラグビー発祥の地、英国RUGBY SCHOOL
何より今私が、独立をしようというときに過去の失敗を振り返ることで、リアルな反省が教訓になっている。若い人は、「確かに海外へ行って失敗するかもしれない。でも、たとえ失敗によって私みたいに自信をなくしたとしても、それでも長い目で見ればすごく貴重な経験だということ。そういう失敗をしたからこそ、今できる事があること。」だから一度海外へ行って挑戦してみてほしい。
SKY IS THE LIMIT!!
これからも私は、海外へ行ってみたい!という人を心から応援します。