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飛行機に300回乗った私が語る、飛行機の事実と基本〜安全性

こんにちはーKayoだよ。先日、友達と話をしていて「飛行機って、おちないの?」とか「空港と航空って何がちがうの?」といろいろ聞かれて、「航空会社員じゃないと知らないことっていっぱいあるよなー」と思いました。

ということで今日は「飛行機の基本。まだ飛行機にのるのが怖いあなnステータス」をお伝えします。(固いかな?何か質問あればコメント欄より連絡ください)

 

飛行機に300回乗った私が語る、飛行機の事実と基本〜安全性

 

飛行機のキホン①飛行機事故の可能性は0%

まず飛行機初心者が心配するのが「飛行機って、本当に堕ちないの?」という疑問。私もずっと抱いていた。

でも大丈夫、飛行機は堕ちない。

飛行機は毎日世界で10万便近く飛んでいる。3年で約1億便だ。

確かに飛行機事故が起こることはある。ただ飛行機事故が起きると全世界で報道される。

テレビで最後に飛行機事故の報道を見たのはいつか?そう、飛行機事故はなかなか起きないのだ。

仮に3年に一回飛行機事故が起きるとしよう。(それでも多いが)あなたが1年に10回飛行機に乗るなら、3年で30回。30/1億の確率→1/300万→0.00000033%、そう、ほぼ0%なのだ。

ほぼ0%なので統計学的な表現として飛行機は堕ちないと断言する。

 

飛行機のキホン②LCCの事故可能性について

「LCCって、乗っても大丈夫なの?落ちない?」

結論から言うと、LCCに乗っても全然大丈夫だ。

LCCも、ANAやJALと変わらない安全基準を国土交通省から課されていて、周期的に航空局の役人が会社にやってくる。

だから、LCCだからと言って「安全性もゆるい」なんてことは絶対にない。

パイロットや整備士、もちろんCAといった人材の安全性のスキルもLCCだからと言って低いことはない、ただタイトなスケジュールによって数人疲れていることもあるが、そうなっても他のメンバが補完できる。

一つ、「LCCの飛行機が揺れやすい気がする」のは、あながち当たりかもしれない。と言うのもLCCは古い飛行機を何度も使う傾向にあるので、それだけガタが来るのだ。飛行機の塗装やシートの張替えが頻繁にできないところはLCCの業態として避けられない。

 

飛行機のキホン③飛行機の種類によって何がちがう?

航空券を予約するとき「B787」とか「A321」など、書いてある。これは「飛行機の種類」だ。車でいうと、「トヨタのカローラ」「スバルのレヴォーグ」ってところだ。

ちなみに飛行機業界は世界的に2大メーカーがシェアを占めている。

Aがエアバスと言って、フランスの飛行機メーカー。

Bがボーイングと言って、アメリカの飛行機メーカー。

これらAとBを、ANAやJALなどの航空会社は、嗜好と付き合いによって購入するのだ。

 

飛行機の機材によって何がちがう?

飛行機の種類はあまり多くなく、AもBも数十種類の型の飛行機を持っている。それぞれの違いは以下のポイントがある。

・大きさ→何人の人を乗せられるか

・燃費→長距離向きか、短距離向きか

・快適性→乾燥しにくい、気圧の変化が少ない

etc だいたいこれらの違いと料金で航空会社は飛行機を選ぶ

「ちょっと待て、そのくらいしか飛行機って違いはないの?でも、航空会社によって座席の幅とか、機内エンタテインメントとか全然ちがうんだけど?」

という疑問がある。実は飛行機の内装を決めるのは航空会社で、飛行機会社はその好みに従い、カスタマイズしてくれるのだ。航空会社が飛行機を買う際は、飛行機会社にたくさん相談して仕様を決めるのだ。

 

航空会社が決める飛行機の中身

航空会社は飛行機の内装を全て決めると言ってよい。家で例えると、耐震性や水回り、熱伝導率は飛行機会社が決めるが、家の中の家具や家電インテリアは可能な限り航空会社が決めるということ。

・座席の広さ→同じ大きさの飛行機でも、航空会社によって座席数は異なる

・機内エンタテインメント→同じ飛行機でも、スクリーンがあったりなかったり

・その他飛行機内全部

 

メモ:航空会社と飛行機会社と空港会社の違い

ここで基本的な語句の説明を。ニュースなどで「航空会社」や「空港会社」と聞くと、何が何だかわからなくなってしまう。飛行機は自家用車と違って、乗客が運転手を兼ねていないのでややこしいのだ。ここで説明する。

飛行機会社:飛行機メーカー:ボーイングやエアバスなど

まず一番わかりやすいのが、飛行機会社。ボーイングやエアバスに代表される。日本だと一部、MJR(三菱リージョナルジェット)を使っているところもある。これらは飛行機を作る。より燃費が良く快適性の高い飛行機を作るために日夜研究を行い、工場で飛行機を作っているのだ。

作った飛行機を売るのは次にあげる航空会社のため、飛行機会社は航空会社からお金をいただいている。

 

航空会社:飛行サービス:ANAやJALなど

次に、飛行機のサービスを提供するのがANAやJALという航空会社だ。飛行機は高度なスキルを必要とするため、自家用車のように数ヶ月練習して免許を取ることはできない。飛行機免許取得には少なくとも数年かかる。

世界には「自分で飛行機免許を取得して、飛行機を借りて飛んでいる」という人もいるが、莫大なコストと免許取得に時間がかかるため、現実的でない。

航空会社は私たち免許を持たない人が飛行機に乗ることを実現してくれるのだ。パイロットという代表運転手が、大きな飛行機を運転して、たくさんの人を輸送する。いわば「飛行代行サービス」が航空会社だ。

一般人の代わりに飛行機を飛ばすことでビジネスが成り立つため、航空会社は私たち乗客からお金をいただいている。

 

空港会社:空港管理会社:羽田空港会社や関西空港会社など

では最後に「空港会社」とは何か?空港会社はその土地で飛行機が離発着できる場所を管理する会社だ。つまり空港を快適に、安全に管理する会社なのだ。

例えば羽田空港にどのレストランを入れるか、決めているのは誰だ?それが空港会社だ。つまり建物の管理を任されているのだ。

レストランくらいならあまり重要でないが、空港会社の重要な役割は「いつどのくらいの飛行機を飛ばすかを決める」ことだ。空港会社は航空会社に飛行機をとばす権利を与えることでお金をいただいているので、できればたくさんの飛行機を飛ばしたい。でもたくさん飛行機を飛ばしすぎると、天気が悪い時に玉突きで遅延したり、近隣の住人に騒音被害で訴えられたりする。だから空港会社員は市役所員のように、近所の方との付き合いを大事にしたり、「ビジネスに走りすぎす、でもしっかり儲ける」ことを必要とされている。

KAYO

一口に”飛行機”って言っても、色んな会社が絡んでいるんですね

 

飛行機のキホン④なんで”揺れる”の?

飛行機に乗っていて怖いのが「揺れる」こと。マジでがっつり揺れたら「落ちるんじゃないか」って怖いし、正直気持ち悪くなりますよね。

飛行機が揺れるのって、防げないのか?じつは”防げる揺れ”と”防げない揺れ”があるのです。

防げない揺れ:雲を割る時の揺れ

飛行機が上昇したり下降したりする時ってけっこう揺れます。あれは雲を割っている時で、気流がとっても不安定だから。特に天気が悪い時なんて最悪の揺れ方ですよね。正直、雲を割る時の揺れはどうしても防げません。とはいえほんの数分なので、我慢してみましょう。

防げなくもない揺れ:離発着陸時の揺れ

いっぽう、離発着陸時の揺れは会社ががんばれば防げたりします。

新しい機材は離陸時に揺れにくい

飛行機が動いて、いよいよスピードを上げて飛ぼうとする時、ガタガタと揺れたりしますよね。あれは古い飛行機だとけっこう揺れるんですよ。あとは滑走路がガタガタだと。つまり、新しい飛行機で、新しい空港だとほとんど揺れなかったり。

着陸時の揺れはパイロットの操縦桿

着陸時に「ガツン」と衝撃が出るときがあります。あれはパイロットの手にかかっています。ただ「ガツンと」降りるからスキルが低いかというとそうでもなく、例えば雨の日は滑走路が滑りやすいため、ガツンと降りて滑走路に摩擦を生み、飛行機がスリップしないように工夫しているのです。

また着陸前の下降時に「すんごく上下に揺れる」ときがあります。日本ではないですが海外だとたまに、気球に乗っているかのようなプカプカ感を出してくれるパイロットがいます。あれはウケ狙いでやっているのか、パイロットの卵なのか、私にはわかりませんw

 

メモ:外資の航空会社のパイロットは基準が違う!?

パイロットで思い出しましたが、海外の航空会社、ユナイテッド航空やシンガポール航空etcなどのパイロットの免許基準は実は国によって違います。もちろん、十分に安全に考慮した基準になっていますが、日本のパイロット試験はかなり厳しいとされています。

ゆえに、日本の航空会社のパイロットのスキルは高いので安心してください。ちなみに日本の航空会社で働いている外国人パイロットも、日本の基準で再度免許を取り直しているので安心してください。(外資系から転職して、日本の基準に満たずに帰っていくパイロットも少なからずいます)

 

飛行機のキホンまとめ

今回は久しぶりに飛行機について書いてみました。航空会社員ゆえに、書きたいことがたくさんありすぎて散文的になっているかもしれませんが、これからもお話しできる範囲で皆さんの飛行機の疑問を解決できればと思います。Sky is the limit!!

ABOUT ME
bonkayo
SE、ソムリエ、旅人、フリーライターを経て、フルリモートで会社員中。2歳娘と夫と3人暮らし。