こんにちは!Kayoです。今日は東欧トラベラーの”なべ”さんからの寄稿です。チェコにある世界一美しい街をお伝えしてくれまーす!
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”街全体が美術館”’まるでおとぎ話の世界”、”世界一美しい街”そう呼ばれる街が世界にいくつもある。その中でも圧倒的な美しさを誇るのがチェコの南部にあるチェスキークルムロフだ。首都のプラハと並び、チェコの代表的な観光地だ。プラハも上記のようなキャッチフレーズが当てはまるが、きくところによると、どうやらチェスキークルムロフはそれ以上らしい。気になるので、訪れてみることにした。
~危うくバスに置いていかれそうになる~
おとぎ話の国は行きづらい。チェスキークルムロフは小さな街だ。言ってしまえば田舎だ。近くに空港はない。列車も微妙だ。交通手段は長距離バスが便利だ。プラハから時間にして3時間ほどかかる。日帰りで行ける距離ではあるが、ここで言う行きづらいというのは日本から行くと2日掛かってしまうということだ。自分の旅の鉄則として当日着は必須だ。
通常プラハで1泊するのが常識だが、一気にチェスキークルムロフまで行くことにした。プラハには現地時間で18時に到着し、そのまま脇目も振らず、タクシーで最寄りのバスターミナルであるNa Knížecíに向かった。地下鉄で行く手段もあるが、確実な方法を選んだ。そのおかげで予想よりも早くバスターミナルに着いてしまった。出発時刻の2時間前だ。暇になってしまった。そこで近くのBARで一杯飲むことにした。チェコのビールと言えばピルスナーだ。美味しく頂いのだがこれで馬鹿を見ることになる。
バスはStudent Agencyというバス会社のサイトから事前に予約していた。チェコは日本ほど鉄道網があまり発達していないが、長距離バスは充実している。バスもリッチな雰囲気であった。期待できそうだ。
バスはチェスキークルムロフに向けて発車した。プラハを抜けるとあっという間に辺りは暗くなった。街灯1つない。昼間であればヨーロッパの美しい田舎風景を楽しめるのだが、今はただ不気味なだけだ。そうなると同時にバスの灯りも消えた。暫くするとトイレに行きたくなった。バスは走り出してから1度も停車していない。まさかトイレ休憩無しでこのまま行くことはあるまい。しかし、バスは一向に停まる気配がない。マズい!かなりピンチになってきた。さっき飲んだビールのせいだ。するとバスが停車した。良かったようやく休憩だ。慌ててバスを降りるも辺りを見回してもトイレがない。というか普通のバス停だ。
我慢できずに茂みに入って用を足した。すると何故かバスが走り出した。どういうことだ?休憩時間短すぎる。”Stop!Stop!”と叫びながらダッシュしバスを追った。このまま置いてかれたらエライことだ。信号が赤になると同時にバスのドアをどんどん叩く。ドアが開いた。助かった、、、バスのドライバーが”何やってんだ”と言った感じで怒り気味に現地語で話してくる。何を言ってるのかサッパリ分からないが、とりあえずこちらの事情を英語で話すも全く通じない。すると英語が分かる他の乗客が事情を説明してくれた。どうやらこのバスは休憩がないらしく、さっき停車したのは、そこで降りる人がいたためでということだ。3時間も走るなら休憩を1回くらい挟んでほしいところだ。何がともあれ、辛うじてチェスキークルムロフに到着した。時間は夜中の0時を回っていた。街は不気味な雰囲気を漂わせていた。何故かマッチ売りの少女が居そうと思ってしまった。ある意味おとぎ話の世界だ。
街そのものが美術館!噂は本当であった。
噂に違わぬ美しさ朝から旧市街を巡る。昨日雨が降った影響もあり、空気が澄んだ青空が広がり街が色彩感に溢れていた。どこか高いところから街を見下ろしたくなった。街のシンボルとなっているチェスキークルムロフ城を目指した。チェスキークルムロフ城は数カ所にわたり有料の展示施設があるが、城の塔にも登ることができる。この塔はこの街の一番高いところである。遮るものがなく360度素晴らしい景色を見渡すことができる。
茶色の屋根で統一されたルネサンス様式の建物、湾曲状に流れるヴルタヴァ川、緑あふれる丘、街そのものが世界遺産となっている旧市街がいわゆる”まるでおとぎ国の世界”を訪れたかのような感覚にさせるには十分である。チェスキークルムロフを楽しむにはこのようなビューポイントを巡るのが一番だと思った。チェスキークルムロフ城を抜けた城の橋付近にも絶好のビューポイントがある。ここはヴルタヴァ川沿いの崖の一角にある展望スポットで、ヴルタヴァ川、チェスキークルムロフ城、ヴィート教会、町並みを一望できる。他にもムニェストスケー公園が良かった。
ここからは壮大なチェスキークルムロフ城の全容と、城下町の景色を楽しむことができる。街全体が美術館なので全てが展示物だと思いながら街を歩くと実に絵画的な街であることが分かる。これらのビューポイントは夜景も魅力的だ。昼間よりさらに“おとぎ話の世界”の雰囲気が増す。中世の世界にタイムスリップしたかのようだ。カメラのシャッターを切らずにはいられない。
~ビールは最高!しかし食事は、、、~
他にはチェスキークルムロフ城内の展示物や博物館(ただし時間指定のガイド付きツアーのみ)、隣接する庭園を巡るのも良い。絵画好きな人はエゴン・シーレというオーストリアを代表する現代美術家の美術館があるが、街そのものが絵画のようなものなのであまりこだわる必要もない。美術センスが皆無な自分にとっては、天才の世界に触れるより街の景色を見ている方が良かった。
食事はどうだろうか?チェコと言えばやはりビールになってしまうのだが、食事もちゃんと味わいたい。そんなビールと食事を両方楽しめそうなナイスなレストランがあった。エッゲンベルグ醸造所である。その名のとおり、地ビールを製造しており、かつレストランは併設されている。そんな魅力的なレストランは行かないわけにはいかない。まずは自慢の地ビールを飲む。見た目に反して以外にさっぱりしていて美味しい。
食事はどうだ?悪くはない、、、しかしこれで夕食は食べれないなあと思わせる料理だ。ここだけに限らずヨーロッパの料理は、日本人にとって1日3食を摂るのを難しくされる料理が多い。予想通り夕食は残してしまった。店員は笑顔で「GOOD?」と聞いてくるが引き笑いをしながら「GOOD!」と答える。このような場面は幾度も経験した。いい加減学習したい。
チェスキークルムロフは1日あれば十分周れるほどの小さな街だ。翌日には次の目的地に向かうことにした。朝早くの出発であったので朝食は宿で食べれないなあと思いきや、宿のスタッフが笑顔で朝食を袋に詰めて渡してくれた。こんなことは初めてであった。しかし、袋パンパンに詰めてきた。1日分の食料を渡す気か?昨日の料理で胃が若干もたれている自分にとって、この量はかなり辛い。唯一絶品だったのが、以外にも自分が嫌いなトマトであった。バスの中でチェコの朝日を浴びながらトマトをほおばった。なかなか悪くない。しかし、この日は飛行機にも乗るため、持ち込みもできず、結局食べ物を粗末にせざるを得なかった。
いかがでしたか?今回は「世界一美しい街チェスキークルムロフ」の散策記をお伝えしてきました。チェコといえばプラハ、だけどもそれ以上に美しいチェスキークルムロフ。訪れるのは一筋縄ではないかないようですが、ぜひ”なべ”さんの経験を参考にして、私も行ってみたいものです!